2013-03-09 Sat

2012年制作 邦
監督:吉田 大八
≪キャッチコピー≫
『全員、他人事じゃない。』
≪ストーリー≫
とある田舎町の県立高校映画部に所属する前田涼也は、クラスの中では地味で目立たないものの、
映画に対する情熱が人一倍強い人物だった。
そんな彼の学校の生徒たちは、金曜日の放課後、いつもと変わらず部活に励み、
一方暇を持て余す帰宅部がバスケに興じるなど、それぞれの日常を過ごしていた。
ある日、学校で一番人気があるバレー部のキャプテン桐島が退部。
それをきっかけに、各部やクラスの人間関係に動揺が広がり始めていく。
≪感想≫
原作は朝井リョウの同名小説。
こちら読みましたが、それほどピンとこなかったかな。
まぁ高校生の日常を描いているなぐらいの感想で・・・。
そして実写化された今作はというと・・・。
すっごい作品に出会ってしまいました!!
ヤバいです!!
鑑賞後、こんなに誰かと語りたくなる映画は久しぶりです!!
映画はまず、ある金曜日のエピソードを主要人物の視点を変えて、何度も反復するスタイルで進む。
以前観た「バンテージ・ポイント」「その土曜日、7時58分」的な手法ですね。
まずこの構成、ストーリーテリングが巧み。
その中で見えてくる学校内のヒエラルキー。
そここそが彼ら彼女らの生きていく世界。
オタク系の映画部の彼。
吹奏楽部の彼女。
バレー部補欠だった彼。
何でもできるが熱くなれない彼。
その他諸々の彼ら彼女ら・・・。
でてくるみんなが主役で、それぞれの価値観で学校と言う狭い世界で戦いもがいている。
でてくるみんなに自分の学生時代に、そして現在の生活に照らし合わせる。
「こいつのこういう所あったなぁ・・・。」
「この弱気な考え方あったよなぁ・・・。」
共感し葛藤しチクチクと心にささる。
そしてクライマックスのオーケストラに合わせて流れる映画を撮影するシーン。
これまで思いだし感じたネガティブなイメージを喰い殺してくれる。
今まで感じた痛みや弱さが昇華する。
まさに大メインクライマックス!!
そしてこれだけで終わらず、少し落ち着いたラストシーン。
僕はこのラストの映画部前田とイケメン宏樹君の会話が一番グッと来たんですよね。
原作本にはないクライマックスからラストまでのこのシーン。
ここがめちゃくちゃ良いんです!!
何かが変わってスカッと爽やかになるわけでは無いんだけど、昔を思い出し、現在を考え、未来へと繋げる。
結局、僕らはこの世界で自分を信じ戦っていかなければならない。
たまに訪れるご褒美のために・・・。
みたいな。
いやぁー、本当に良い作品です。
きっと思い出してはまた観るであろう作品。
みんなも観てほしいし、観た後に語り合いたいなぁ。
とにかく書けば書くほど、どんどん感想が溢れてくる。
今年ベスト級の作品です!!
あっ!!大事なことを書き忘れてました。
今作、主題歌もめちゃくちゃ良いんです!!
高橋優の「陽はまた昇る」。
「自分だけが置いてけぼりを喰らっているようなきがする」
から始まる彼の歌声が、今作にたまらなくマッチしていて最後の最後までこの作品に浸れる。
めちゃくちゃ良いんですこの曲!!
≪点数≫
10点
(12.10.26鑑賞)
こちら原作。
映画を観てたら、もう一度読みたくなりました。
こちら主題歌。
名曲。
何度も何度も聞き倒しました!!

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