2023-03-15 Wed

2019年制作 韓
監督:イ・ヘジュン/キム・ビョンソ
≪キャッチコピー≫
『半島が、崩壊する。』
≪ストーリー≫
北朝鮮と中国の国境付近に位置する火山・白頭山で、観測史上最大級の噴火が発生する。噴火によって大地震も誘発され、ソウル市内のビル群が倒壊するなど人々はパニックに陥る。白頭山の地質研究の権威である大学教授カン(マ・ドンソク)がさらなる大噴火の発生を予測したことを受けて、韓国政府は韓国軍大尉チョ・インチャン(ハ・ジョンウ)と彼が率いる爆発物処理班に対し、北朝鮮に潜入して火山沈静化を図る秘密作戦の遂行を命じる。そのためにインチャンたちは、作戦成功の鍵を握るとされる北朝鮮人民武力部の工作員リ・ジュンピョン(イ・ビョンホン)を見つけようとする。
≪感想≫
韓国映画。
豪華キャストでお送りする超絶エンタメ作品。
出演者は「KCIA 南山の部長たち」等々のイ・ビョンホン。
「PMC:ザ・バンカー」等々のハ・ジョンウ。
そして我らがマ・ドンソク兄貴!!!!
なんて香ばしいキャスティング。
そしてお話の内容が火山が爆発して国の危機を救うために立ち上がる的な内容で。
そりゃあテンション爆上がりに決まってるでしょう・・・。
ってな訳で楽しみにしていざ鑑賞。
さてさて。
・・・・あれ?
あれあれ??
なんだかノリきれないぞ。
なんだかアガらないぞ。
確かにド派手なんです。
確かに豪華キャストなんです。
ただ、なんかピンとこない感じ。
お話が詰め込み過ぎ。
火山の爆発を止めるお話の中に北朝鮮が絡んだり、
アメリカが絡んだり、妊娠している奥さんの危機が絡んだり。
山盛りな上に一個一個が薄っぺらくってノリきれなかったんですよね。
展開も雑で。
冒頭で、北朝鮮に潜入するチームが乗った飛行機が突然の故障。
火山灰が影響なのか分かりませんが、その演出いるかなぁ。
いきなりのアクシデントに思わず笑っちゃいましたよ。
あとは、適当にアクシデントは起こるんですが、全部が全部
突然すぎて。
やっていることは派手なんですが、繋がらないからとほほ・・・。
残念無念。
キャストについて。
先に書いた主役級の方たちには概ね満足なのですが、しいて言うと
マ・ドンソク兄貴のキャラがちょっともったいなかったかな。
兄貴はその体躯で火山なんかとバッチバチのマッスルアクションを
見せてほしかった(笑)
もちろん、今作のようなガリ勉キャラもギャップがあって最高なんですが、
それならそれで、もっと立たせてほしかった。
そんなこんなで。
ルックやキャストはやっぱりド派手。
これは映画館案件だったのかもしれませんね。
お家の小さな画面ではお話や展開を忘れさせてくれるような迫力を味わえなかったので
もったいなかったなぁと反省。
残念無念。
≪点数≫
4点
(23.01.02鑑賞)

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2023-03-13 Mon

2020年制作 邦
監督:土井 裕泰
≪キャッチコピー≫
『何かがはじまる予感がして、
心臓が鳴った――。』
≪ストーリー≫
ある晩、終電に乗り遅れた大学生の山音麦(菅田将暉)と八谷絹(有村架純)は、東京・京王線の明大前駅で偶然出会う。お互いに映画や音楽の趣味がよく似ていたこともあり、瞬く間に恋に落ちた二人は大学卒業後、フリーターとして働きながら同居を始める。ずっと一緒にいたいと願う麦と絹は、今の生活を維持することを目標に、就職活動を続ける。
≪感想≫
2023年初めの作品。
良い映画と聞いていましたがこれほどまでとは。
とんでもなく良作でした。
キャスティングの妙。
本作は大学生の二人が出会って別れるまでのお話。
主演の菅田将暉くんと有村架純さん。
この二人がとても瑞々しくって素晴らしかった。
出会ったばかりの頃は二人とも大学生。
野暮ったくてどこにでもいそうな大学生。
とてもおこがましいけど自分が大学生だったころを思い出す。
そして、この二人に自分の若かりし頃を重ね合わせて、
自分もこんな感じだったなぁとか、自分もこんなだったら良かったなぁと
エモーショナルな気分に。
中盤以降は、彼ら彼女らも社会人になっていく。
二人の表情もどんどん大人になっていく。
ここら辺がとても素晴らしく流石役者さんだなぁと。
お話について。
中盤にかけて麦君と絹さんの出会いから恋を育むまでを丁寧に
ドラマチックにそして魔法のように描き出す。
これがまたとても瑞々しくって素敵でまさに「花束」のような恋のお話で。
傍から見てもこの二人の出会いは運命のようで、こんな二人の未来には
幸せしか待ち受けていないと思える。
とにかく、中盤までのやり取りや恋物語は何度でも観たくなるほど
可愛らしくて素敵な物語。
中盤から。
先に書いた素敵な形を持った二人の物語も不穏な空気が醸し出す。
大学生だった二人も「社会」に出なければいけなくって。
そこから変わっていく二人。
変わっていくペースがずれていく二人。
最終的には二人とも大人になっていくんだけど、変わっていく速度が違ったんだろうなぁ。
昔の僕なら、どうしてあんなに好き通しだった二人が別れることになったのか
納得いかずに憤っていたと思うけど、年を重ねてそれこそ、大人になってしまった
僕には麦君の気持ちや絹さんの気持ち、そして社会に出て変わらざるを得ない
仕組みがあるという事を、うっすらわかっているからどちらも攻めることは
できないんですよね。
音楽もなんだかほっこりするような柔らかい音楽で
麗らかな世界観を作り出す。
これも素晴らしい。
そんな感じで。
年始からとても素敵な作品に出会いました。
お話自体は苦みもあるんです。
クライマックスはとても切なくて苦しかったりもしたんです。
ただ、ラストシーンに写っている麦君と絹さんの姿はとても前向きで。
きっとこの子達には必要な別れに昇華できたんだなって
とても微笑ましくなってね。
良い終わり方でしたよ。
とても素晴らしい作品でした。
そうだ。
先日観た「ちょっと思い出しただけ」を思い出したり。
そうだ。
自らの学生時代を振り返ってみたり。
ほろり。
うーん・・・僕も年取ったなぁ。
≪点数≫
9点
(23.01.01鑑賞)

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2023-03-01 Wed

2022年制作 邦
監督:今泉 力哉
≪キャッチコピー≫
『たとえ、パーフェクトじゃなくても。』
≪ストーリー≫
フリーライターの市川茂巳(稲垣吾郎)は、編集者の妻・紗衣が売れっ子小説家と浮気していることを知りながら、妻にそれを指摘できずにいた。それだけでなく、彼は浮気を知ったときに芽生えた自身の感情についても悩んでいた。ある日、文学賞を受賞した女子高校生作家・久保留亜の小説に心を動かされた茂巳は、留亜に小説のモデルについて尋ねる。
≪感想≫
今泉力哉監督最新作。
今泉監督の作品は「愛がなんだ」「街の上で」「あの頃。」等々。
いずれも好きな作品ばかり。
さてさて。
とても澄んだ素敵な世界観。
お話自体はとても苦いんです。
だけどとても心地よい印象。
なんでだろう・・・。
そこに映っているのは怒りだったり悲しみだったり切なさだったりするんです。
だけど、観ている間、不快な感じがまったくしない。
感情の揺らぎがとても微細だからなのかな。
キャスティングの妙
稲垣吾郎力大爆発。
キャラクターと見事にマッチしていました。
今泉監督の作品を観た後はいつも他人との「コミュニケーション」について
考えさせられる。
本作の主人公の茂巳(稲垣吾郎)は妻の不倫を知りつつ、その行動に怒りを
感じない自分に戸惑っていた。
茂巳はとにかく感情を爆発させない。
あまり嘘をつかない。
淡々と誠実に語るキャラクター。
その語り口や行動がとても心地よく愛おしかったんですよね。
そのキャラクターと吾郎ちゃんの声や地のキャラクターと見事に融合して
とても見心地も良かったんです。
演出について。
本作は長回し、ワンカットが多かった。
じっくりとそこに映る二人の会話を味わう演出。
行間を読んだり、その間の意味を考えたり、登場人物たちの考えていることや
観ている自分の気持ちを深く掘り下げる感じ。
これまた心地が良い。
先に書きましたが「コミュニケーション」を考える。
人との距離、他人の気持ち、自分の気持ちについてダイブする。
鑑賞後。
人と繋がりたくなるというか。
知りたくなるというか。
分かりたくなるというか。
また誰かと話したくなる感じ。
良いですねぇ・・・。
そんなこんなで。
「観る」小説。
「読む」映画。
とても心地よい作品。
もう一回観たい。
とても良作でした。
そしてなんだか読書をしたくなった。
≪点数≫
9点
(22.12.30鑑賞)

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2023-02-27 Mon

2021年制作 米
監督:クリント・イーストウッド
≪キャッチコピー≫
『誘拐した男と、さらわれた少年。
逃亡の果てに二人が見つけた“生きる”道とは―。』
≪ストーリー≫
ロデオ界の元スターのマイク・ミロ(クリント・イーストウッド)は、落馬事故をきっかけに家族とも別れ、今は競走馬の種付けの仕事をしながら一人で暮らしている。ある日、彼は元雇用主にメキシコにいる息子のラフォ(エドゥアルド・ミネット)を誘拐するよう頼まれ、単身メキシコに向かう。マイクは少年ラフォと出会い、二人でテキサスを目指すが、その道のりは困難なものだった。
≪感想≫
クリント・イーストウッド御大監督最新作。
カウボーイを引退した老人が友人の息子をメキシコから
テキサスまで連れ帰るっつーロードムービー。
特に派手に物語が展開することもない。
ひたすら映し出される老人マイクの旅物語。
穏やかながらもマイクの逞しさが醸し出される。
・・・あれ?
これって何を目的に旅してるんだっけ??
本来の目的も忘れてひたすらゆっくりと進んでいく。
所々、危うさを感じる展開にはなるんだけど基本的にはゆっくりと。
友人の息子のラファエルの成長譚でもあり、マイクの終焉譚でもある。
良いバランスで進んでいく物語は意外に気持ち良かったです。
そんな感じで。
これはきっと監督であるクリント・イーストウッドの理想郷を
描いた作品なのではないだろうか。
本当に強い男の生き方というか。
いききらずにちょうど良い塩梅の逞しさ。
クリント・イーストウッドの自伝的作品ですよと言っても
まったく違和感ない。
前作の「運び屋」は結構、派手目な作品でしたが本作はとても
穏やかなロートルのお話。
彼はこれから人生の幕を下ろすための作業を淡々と過ごしているのかもしれない。
・・・いやいや。
彼はきっとまだまだ現役でいつづける気がする(笑)
≪点数≫
6点
(22.12.29鑑賞)

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2023-02-24 Fri

2022年制作 米
監督:ジェームズ・キャメロン
≪キャッチコピー≫
『奪われるのは
目か、心か。』
≪ストーリー≫
神秘の星パンドラ。元海兵隊員のジェイク(サム・ワーシントン)は先住民ナヴィの女性ネイティリ(ゾーイ・サルダナ)と結ばれ、子供たちをもうけ、幸せに暮らしていた。しかし、ジェイクたちは再びパンドラに現れた人間たちに森を追われてしまい、海の部族のもとに身を寄せる。だが、その美しい海にも侵略者が接近していた。
≪感想≫
圧倒的映像美。
前作は「森」がテーマの世界観。
そして本作は「海」がテーマの世界観。
これまで観たことのない映像の数々。
もちろん3Dで鑑賞。
海中のシーンはもれなく美しく感動的で、本当に劇場で観れて良かったなと。
前作ではその特異なルックのナヴィ族も見慣れているし、キャラクターも
しっかりと根付いているのでめちゃくちゃ美しく尊い。
赤ちゃんとかのルックも海洋生物たちも凄く神秘的で美しい。
3Dで観たものだから余計に素晴らしかったですよね。
本作は3時間以上と長尺。
美しい映像と、いい意味で古臭いお話の展開のおかげで
最後までだれることなく鑑賞することができました。
古き良き時代のエンタメ作品な感じ。
ただねぇ・・・。
お話について。
正直、前作もあまり好きじゃなかった本シリーズ。
色々と言いたいことがあるんです.
本シリーズって地球人が惑星パンドラを占領しに来て
それに抗うナヴィ族を描いていて。
暴力を暴力で抗って戦いが戦いを生んでいく流れなんです。
それが、なんだか今の時代の描き方とマッチしていない気がして。
もっと解決策をしっかりと提示してほしいというか。
現代とめちゃくちゃリンクしていたりもするからこそね。
だからこそ・・・って感じ。
もう一歩先の希望を観たいというか・・・。
前作に引き続き本作の内容もそんな感じで。
調べてみると本シリーズは5部構成で考えられているみたい。
いやぁ・・・ひたすら続くこの争いを観るのはちょっとしんどいなぁ。
そんな感じで。
前作で映像美については頭打ちの印象もあったのですが
全然、そんなことないない。
さらにクオリティの高い圧倒的映像美を見せていただきました。
先に書きましたが本シリーズは5部構成。
さらに進化した映像が待っている!!
楽しみ。
ただ、この流れのお話を観ていくのは辛いなぁ・・・。
≪点数≫
9点
(22.12.28鑑賞)

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