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No.2177 『aftersun/アフターサン』
No2177 『aftersun/アフターサン』
2022年制作 英/米
監督:シャーロット・ウェルズ

≪キャッチコピー≫
『 - 』

≪ストーリー≫
11歳のソフィは、夏休みに離れて暮らしていた31歳の父カラムとトルコのリゾート地へ行く。カラムが手に入れたビデオカメラを向け合い、ふたりは親密な時間を過ごす。20年後、父と同じ歳に成長したソフィは、懐かしい映像の中から父の記憶を呼び起こし……

≪感想≫
特に大きな出来事があるわけでもない。
淡々と映し出される父娘の交流。

ただ、それはとても微笑ましい映像のはずなのに、どこか物憂げで切なさを感じる。
何か「死」の匂いを感じる。
何か「生きづらさ」を感じる。

カラムは父親でありながらも不完全で不安定な人間なのでしょう。
もちろん完璧な人間なんているわけじゃないのは分かっている。
どこか不安定さを感じる父親。
一方のソフィも少女から女性へと変わるために背伸びをしているお年頃。
彼女は彼女で心の成長速度が加速していく。

クライマックス。
現在のソフィの姿がカラムと重なり合う。
やはり彼女も不安定な印象を受ける。
いま彼女は何を思うのでしょうか・・・。

演出について。
水面に映る姿、鏡越しの姿、カメラ越しの姿。
とにかく何かを通して人物を映し出す手法を多用していたような。
そこも、どこか過去の物として描かれているようで、やっぱり
エモーショナルな気分にさせられる。

所々、LGBTQが浮き彫りになる演出やお話がちらほら。
カラムもまた当事者だったのかなと思ったり。

あくまでも僕の解釈ですが、カラムは自死を選んで今は生きていないんじゃなかろうか。
なんなら、終盤、自ら海へ消えていくシーン。
あれは時系列的にソフィが帰ったあとのお話なんじゃないのかなとすら思えました。

そんなこんなで。
何を描いているのか、どういうお話、どういうゴールに向けて進んでいるのか
分かりにくく、受け手の解釈にゆだねるとても幅の広い作品。
とても柔らかく暖かなお話なのにとても切なく悲しい気分に。

今の社会問題やワイドショーを賑わせている出来事とリンクしていて
少しくらっちゃいました・・・。
ふぅ~・・・。

そうそう。
父娘を演じた役者さんは二人とも◎。
とても素晴らしかったです。

≪点数≫
  5点
                                           (23.07.16鑑賞)
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No.1999 『Tinder詐欺師: 恋愛は大金を生む』
No1999 『Tinder詐欺師 恋愛は大金を生む』
2022年制作 米
監督:フェリシティ・モリス

≪キャッチコピー≫
『 - 』

≪ストーリー≫
何度スワイプを繰り返しても、オンラインではそう簡単に運命の相手に出会えない...。そう思っていたセシリーですが、信じがたいほどに理想の条件がそろった、ハンサムで億万長者のプレイボーイとマッチし、運命の出会いを果たします。しかし、やがて夢が覚め、世界を股にかけるビジネスマンの仮面が剥がれた時には彼女はすべてを奪われた後で、時すでに遅し...。おとぎ話の魔法が解けて一転、恐ろしい復讐劇が始まります。セシリーが起こした行動で、彼の餌食となった他の被害者が判明し、彼女たちが結託すると、今度は彼の運命が狂わされていきます。

≪感想≫
Netflixオリジナルドキュメンタリー映画。

マッチングアプリ「Tinder」を使って詐欺を行う
サイモンという男。
こいつにだまされた女性たちが立ち上がるっつーお話し。

なるほどねぇ。
こんな詐欺の仕方があるのかぁ・・・。
ひたすら続く詐欺の連鎖。
一人のお金をもう一人の運用資金に使って、その一人のお金を
また次の女性に使う。
当の本人は人の金でずーっと甘い汁を吸い続けていく。
これがまたとっても組織的で巧みなんですよね。
くっそーー・・・。
腹立つなぁ・・・。

序盤はサイモンに騙された過程を描き出し、そこから終盤にかけて
サイモンが落ちていく姿を描き出す。
「やったぜ!!」
「ざまぁみやがれ!!」
「ここから地獄を味わいやがれ!!」
なんてスカッとしたのもつかの間・・・。

まさかの終わり方が苦すぎた・・・。
スカッと終わったかと思ったのに!!
まさかまさか、サイモンは1年足らずで釈放されて、今はイスラエルで悠々自適に
暮らしているとのこと。
なんだよ、そりゃ!!
もっと制裁を!!!!
しかも奴は今もTinderをやってモデルと付き合って、たっかい
車をのって最高の暮らしをしているっぽいんだよなぁ・・・。
なんだよ、そりゃ!!
もっと制裁を!!!!

事実は小説より奇なりなんて言葉はありますが、まさに。
苦すぎるよねぇ。

そして最後のだまされた彼女の現状。
彼女は彼女でまたTinderを使って愛を探しているんです。
なんだかなぁ・・・・。

そんな感じで。
終盤までとても気持ち良く観れたのも束の間、まさかの着地。
現実は厳しいですねぇ。
何でしょう。
自尊心を深く傷つけるこの手の詐欺や暴力はやっぱり不快度MAX。
するつもりもないし、されるつもりもないけど、
大なり小なり関わってしまいそうなこのご時世。
気をつけなきゃいけないなぁなんて思ったりしました。

余談ですが。
僕も一度だけこのマッチングアプリというやつに登録したことがあって。
何事も経験だと思いつつも、1日で怖くなってやめてしまったのですが。
この1日の期間だけでも何件かメッセージが届いたんですよね。
恐らく、続けていたら詐欺とまではいかないけど騙されていたんじゃないかなぁ。
夢はあるけど怖い怖い。

≪点数≫
  7点
                                           (22.02.09鑑賞)
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No.1951 『海辺の映画館―キネマの玉手箱』
No1951 『海辺の映画館―キネマの玉手箱』
2019年制作 邦
監督:大林 宣彦

≪キャッチコピー≫
『また見つかった。
       何がだ?
           永遠。』

≪ストーリー≫
広島県尾道の海辺にある映画館・瀬戸内キネマが閉館を迎え、その最終日に日本の戦争映画大特集と題したオールナイト興行が行われる。3人の若者が映画を観ていると劇場に稲妻が走り、閃光が彼らを包むと同時にスクリーンの世界に押し込んでしまう。戊辰戦争、日中戦争、沖縄戦、原爆投下前夜の広島と上映作品の劇中で描かれる戦争をめぐる中で、三人は桜隊という移動劇団の面々と出会い、史実では原爆の犠牲になってしまう劇団員たちを救おうと手を尽くす。

≪感想≫
大林宣彦監督作品。

相変わらず不思議な映画。
個性大爆発の作風は言わずもがな。
本人の思っている事、やりたい事をふんだんに盛り込んでいる。

ただ、これは演出だからなのか、大林監督の人柄が詰め込んであるからなのか
全く違和感なく受け入れられる。

テンポがとても良い。
切り替わりの早いお話。
過去や現代、様々な場所と様々な人物にパンパンと
切り替わりながら物語が描かれる。
しかも前後の繋がりなんて関係ないない。
ひたすら、目の前に訳のわからない状況が描き出される。
これは物語なのか??
何でしょう。
自身の思い出の奥底にあるダイジェストをひたすら流されている感じ。
ただねぇ・・・最初は、何を観せられているんだろうと思っていたんですが、
だんだん、そこに入り込んで、そのテンポも心地よくグッと来させられるというか。

時折、すっごい刺さる場面があったり。
しっかりとしたメッセージが組み込まれて観る者の心に自然に落とし込む。
凄いなぁ・・・。

本作は映画史的な感じもありましたね。
所々に映画の成り立ちとかも組み込まれていて。

ここでも監督のメッセージが描き出される。

とにもかくにも。
これまで観てきた映画とは違った印象。
ころぞ大林印。
中毒性があるというか。
全てを飲み込めていないであろう自分の状況にちょっと苛立ちを感じつつ。
とにかく凄い作品を観たなぁという印象。

大林 宣彦監督は2020年4月に亡くなられて本作が遺作。
合掌。
監督の昔の作品も観ていかなくちゃなぁ。

≪点数≫
  5点
                                           (21.09.20鑑賞)

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No.1936 『アップグレード』
No1936 『アップグレード』
2018年制作 米
監督:リー・ワネル

≪キャッチコピー≫
『復讐が、<起動>する――。』

≪ストーリー≫
近未来で妻のアシャ(メラニー・ヴァレジョ)と穏やかに生活していたグレイ・トレイス(ローガン・マーシャル=グリーン)は、突如現れた正体不明の組織に襲われる。妻は殺され、グレイは一命を取り留めるが、全身がまひしてしまう。悲しみに沈む中、ある科学者から実験段階にある人工知能チップ“STEM”を肉体に埋め込む手術を提案され、彼は受けることにする。やがて彼は体を動かせるようになったばかりか、驚異的な身体能力を得る。

≪感想≫※大きなネタバレあり
舞台は近未来。
謎の集団に襲われた一組の夫婦。
奥さんは殺されて旦那は半身不随に。
旦那は復讐のため体にAIチップを打ち込み超人的な能力を手に入れることになる・・・。

世界観やらお話やらが楽しかった本作。
この手のお話で思い出されるのがマーヴェル作品の「ヴェノム」。
これは一つの理由は後述するんですが、もう一つの理由として一人の人間の中に二つの人格がある的な。
あと、メカと人間のバディ的なお話で言うと昔、やってたドラマ「ナイトライダー」を思い出したり。
あとは「第9地区」あたりを思い出しました。

本作の世界観で言うと、近未来ということもあって未来感がとっても良い塩梅だったな。
あの車のハイテク感も楽しかったし。
一方で旧式の車も普通に走っている感じもちょっとこうリアリティがあって良かった。
他にも未来感溢れる器具の数々は観ていて楽しかったっす。

演者について。
しっかし、主役グレイを演じたローガン・マーシャル=グリーンがトム・ハーディに
めちゃくちゃ似ているんですよね。
ちょっとお話も相まって、ず〜っとその影がちらついておりました。
これが先に書いた「ヴェノム」を思い出させた一因だったのかも(苦笑)
あと、グレイを追いかける女刑事。
どこかで観たことあるなあと思ったら「ゲット・アウト」に出てた人だ!!
印象強いなぁ・・・。

本作はアクションとゴア描写が凄かった。
人外的なアクションはやっぱり観ていて楽しかったし、無敵感溢れる敵との
バトルには大満足。
グロ・ゴア描写もここまでやるかと思うぐらい。
頭部破裂描写や最初の敵をやっつける時の口を裂くあの描写。
見ごたえたっぷりでこれまた楽しかったです。

お話について。
僕敵にはラストの着地が良かった。
黒幕は誰かわからないまんま進んでいって、二転三転黒幕が変わっていく。
あの中盤のハッカーにたどり着くまでの件はハラハラドキドキさせられて◎。
最後の着地。
ネタバレですが結局黒幕はAIのステムだった訳で。
しかも、バッドエンドな終わり方。
恐らく、今後は地球はAIに乗っ取られていくんだろうなぁと・・・。

そんなこんなで。
アクション、お話、共に一定量の満足感を得られた良作。
監督はリー・ワネルと言うお方。
調べてみると「透明人間」の監督さんだ。
なるほどねぇ・・・。
ちょっと、他の作品もチェックしてみよっと。

≪点数≫
  7点
                                           (21.08.08鑑賞)

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